9の月24夜☽空虚の鎖

9TH MOON 自然を尊ぶ

人々は彼女のことを毒の水と陰で呼んでいました。人生で子連れの女に出会ううごとに、彼女がしかめ面を見せてきたからです。空の子宮をもつ彼女は、部族で子供が産める女すべてに嫉妬したのです。どんな友好の機会もはねつけ、いつもほかの女についての醜い噂話に励んでいました。

 

自分が産まず女だと知った日から、彼女はセミの抜け殻のように空虚になったのです。部族の人口に子供を足せない自分は役立たずだと、真から信じたからです。そして自己憎悪の奴隷となり、内なる自分虐めの想いを棘のある言葉にして他人に向ける癖がつきました。

 

ほかの女たちがもうこれ以上は彼女の虐待に耐えられないと考えたとき、何かが変わりました。

 

癒す女毒の水助産婦の訓練をさせたのです。

 

最初は彼女のそばに近づこうとする女はいませんでしたが、しだいに部族のどの女からも愛されるようになりました。才を見い出したことで、毒の水は虐待の言葉の癖を捨てられたのです。

 

日没の女は、意志の力で有害な癖を破るすべを毒の水に教えました。毒の水は、自分の才を未来の世代の子供たちの役に立たせるすべを学んだのです。そのときから、女たちは彼女を本来の名前で呼ぶようになりました。その名は澄んだ湖です。

 

 

 

 

9の月23夜☽必死の選択

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パニックに襲われ、息を切らして、

彼は夜に叫びました。

この苦境をどうすればよいのだ、

誰が信用できるんだ?と。

 

自分の弱さに直面し、

自分の恥に迫られ、

言いわけもできず、

誰も責められないのです!

 

自分への信頼をなくし、

若さを放り出し、

もう変わるのは手遅れでしょうか?

真実が知りたいのです!

 

必死の選択が闇にのまれ、

疑いが小道に立ち、

恐れの悪魔が

その魂を収穫にしようと

待ちかまえます。

 

煉瓦の壁に瓶が砕け、

光が暗がりを散らし、

アルコールの匂いのなかに

ひとりの人間が、

自分の墓を拒んで立っていました。

 

古代の祖先が彼のそばに立ちました。

彼には見えなくても、

その沈黙の形が道を示しています。

大いなる神秘が祈りを聞いたのでした。

 

優しい腕が彼に伸び、

号泣がおさまるに任せました。

なぐさめの言葉が彼の心を開き、

内なる絶望の像を癒しました。

 

何年も前の、その夜が過ぎ、

彼の生きる意志は健在です。

誰もに見えるように男は背を伸ばして立ち、

紳士の精神を取り戻したのです。

 

 

 

 

 

9の月22夜☽時を所有する

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人類は体験しているその時を

フルに実感することによってのみ、

時を所有することができます。

 

その瞬間には、

私たちはすべて聖なる存在として、

人類全体の可能性の神聖さの創造と

その分かち合いを続けることに尽くしているのです。

 

私たちは、永遠の時を迎え入れ、

永遠の今になるのです。

 

 

無が、すべてのもの、全体性、常に在る一体性を生み出します。それなしでは、私たちは方向も欲望もなく、時と空間の幻想に迷います。

 

いわゆる原住民の多くが時の概念をもたないことには、理由があります。なぜなら、彼らは、自然界の内に存在するすべての世界を十全に認識できるからです。時のなさのおかげで、彼らは見える世界と並行して存在するエネルギーでできたほかの現実の世界への旅に出られるのです。彼らには時を変えたり、コントロールしたり、作ったりする必要がないので、永遠がもてるのです。

 

その瞬間のみに生きることで永遠になることは、地球原住民に大きな利点をもたらしました。彼らは、過去や将来を心配することなく今のみに生き、本当に自由でいられるのです。