8の月27夜☽自衛のメカニズムを癒す

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8TH MOON 癒し

森の熊は、伴侶にしたい相手が見つけられないことをこぼして、自分への不満を周りに見せつけていました。そうでないときには、彼の妻になる女に求める山のような条件を並べてて、空いばりの、でも傷つきやすい自尊心を露呈させていました。

 

ある日、森の熊の賢い父親が彼を呼び寄せ、困惑した息子に話しをしました。森の熊に、お前の孤独は自分で作り出したものだと言ったのです。他人の内なる美を見ようとせず、肉体や社会的立場だけを見る男を、女は避けるものだと父親は説明しました。女性に究極の完璧さを求める男は、自分が深く傷つき、男としての自覚が全く欠けていることを世界に示しているのです。自分が誰で何なのかを知っている男は、同様の慎みで自分の長所も短所も認識します。自分の不安を癒せば、自分自身に欠けているものの埋め合わせとして完璧な女を必要とすることはないのです。外見や何をしているかでなく、そのまま人となりを愛せるのです。

 

父親は自分の言葉が森の熊に沁み入るのを待ち、心から語りかけました。

「人間はすべて、自分自身の傷ついた部分を守るためにどんな手段もとるが、その同じ自衛心によって癒しから遠ざけられてもいるのだ。言葉や態度で世界に矢を射れば、その矢は、自分の傷を守ろうとする傷んだ他人を傷つけずにはおかないのだ。」