9の月24夜☽空虚の鎖

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9TH MOON 自然を尊ぶ

人々は彼女のことを毒の水と陰で呼んでいました。人生で子連れの女に出会ううごとに、彼女がしかめ面を見せてきたからです。空の子宮をもつ彼女は、部族で子供が産める女すべてに嫉妬したのです。どんな友好の機会もはねつけ、いつもほかの女についての醜い噂話に励んでいました。

 

自分が産まず女だと知った日から、彼女はセミの抜け殻のように空虚になったのです。部族の人口に子供を足せない自分は役立たずだと、真から信じたからです。そして自己憎悪の奴隷となり、内なる自分虐めの想いを棘のある言葉にして他人に向ける癖がつきました。

 

ほかの女たちがもうこれ以上は彼女の虐待に耐えられないと考えたとき、何かが変わりました。

 

癒す女毒の水助産婦の訓練をさせたのです。

 

最初は彼女のそばに近づこうとする女はいませんでしたが、しだいに部族のどの女からも愛されるようになりました。才を見い出したことで、毒の水は虐待の言葉の癖を捨てられたのです。

 

日没の女は、意志の力で有害な癖を破るすべを毒の水に教えました。毒の水は、自分の才を未来の世代の子供たちの役に立たせるすべを学んだのです。そのときから、女たちは彼女を本来の名前で呼ぶようになりました。その名は澄んだ湖です。